「その他」に関するQ&A
個人再生が認可決定後に取り消されることはあるのですか?
1 個人再生の計画が認可された後に取り消されることはあります
結論から申し上げますと、民事再生法という法律に定められた一定の要件に抵触する出来事があった場合には、認可決定された再生計画が取り消されてしまいます。
そして、再生計画が取り消されてしまうと、民事再生法第189条第7項によって、再生計画によって減額された債務は元に戻ってしまいます。
【参考条文】(民事再生法)
(再生計画の取消し)
第百八十九条
(第1項~第3項略)
4 裁判所は、再生計画取消しの決定をしたときは、直ちに、その裁判書を第一項の申立てをした者及び再生債務者等に送達し、かつ、その主文及び理由の要旨を公告しなければならない。
(第5項~第6項略)
7 第四項の決定が確定した場合には、再生計画によって変更された再生債権は、原状に復する。ただし、再生債権者が再生計画によって得た権利に影響を及ぼさない。
(第8項略)
参考リンク:e-Gov法令検索(民事再生法)
以下、再生計画が取り消されてしまうケースについて、詳しく説明します。
2 再生計画が取り消されてしまうケースについて
⑴ 個人再生で再生計画が取り消される主なケースは2つあります
再生計画が取り消されるケースには様々なものが定められていますが、個人再生において問題なる主なケースは、次の2つです。
① 再生計画が不正の方法により成立したケース
② 再生債務者等が再生計画の履行を怠ったケース
これらのケースに該当する場合、再生債権者が裁判所に対して申立てをすることで、再生計画が取り消されることになります。
【参考条文】(民事再生法)
(再生計画の取消し)
第百八十九条 再生計画認可の決定が確定した場合において、次の各号のいずれかに該当する事由があるときは、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。
一 再生計画が不正の方法により成立したこと。
二 再生債務者等が再生計画の履行を怠ったこと。
(以下略)
参考リンク:e-Gov法令検索(民事再生法)
⑵ 再生計画が不正の方法により成立したケースとは
代表的なものとしては、個人再生を裁判所に申立てる書類に、虚偽の記載をしたというケースがあります。
たとえば、個人再生においては、債務者の方が保有している財産の評価額以上の金額を返済しなければならないというルールがあるため、返済額を低くする目的で、保有している財産を隠すために当該財産の情報を記載しなかったというものが挙げられます。
⑶ 再生債務者等が再生計画の履行を怠ったケースとは
再生計画が認可された後は、再生計画に従って、毎月(実務上は3か月に1回ということも多いです)返済をしていく必要があります。
もっとも、何度も返済を怠ってしまったり、収入や支出の変化によって返済ができなくなってしまった場合には、再生計画が取り消されることがあります。
個人再生ではどのような点に気をつける必要がありますか? Q&Aトップへ戻る